「リュックタイプ」が話題になるのは、どうしてなのか
ここ数年、ランドセル選びの話題の中で、
よく耳にするようになったのが
「リュックタイプの通学かばん」
です。
ニュースや特集記事などでも、
・軽くて負担が少ない
・使い勝手がよさそう
・価格が手ごろ
・時代に合っている
といった切り口で、
取り上げられることが増えました。
実際に、選択肢が広がること自体は
とてもよいことだと思います。
一方で、
専門店として現場の視点で見ていると、
少し丁寧に考えておきたい点もあるな、
と感じています。
今回は、
なぜリュックタイプが話題になるのか。
そして実際に選ぶとき、どこを見ればよいのか。
その点についてお話ししたいと思います。
1.話題になる理由は「軽そう」「便利そう」「コスパよさそう」
リュックタイプが注目される一番の理由は、
わかりやすいイメージの良さです。
・ランドセルより軽そう
・やわらかくて背負いやすそう
・荷物がたくさん入りそう
・お値頃に買えそう
たしかに、
見た目の印象としては自然なことです。
大人が普段使うリュックの感覚から、
「子どもにもその方がラクなのでは?」
と考える方が増えるのも、
よく理解できます。
2.実は「本体重量」は大差がない
ただ、ここで知っておきたいのが、
実際の重量は、軽量なランドセルと比べると
それほど差がない商品も多い
ということです。
最近のランドセルには、
かなり軽量化されたものもあります。
一方で、リュックタイプも、
・型崩れ防止
・背面パッド
・補強材
・自立性
・かぶせ(着脱式もあります)
などを持たせると、
ある程度の重さになってしまいます。
つまり、
見た目の印象ほど、圧倒的な差があるとは限らない**
のです。
3.中身を入れたときの「体感重量」は別の話
さらに大切なのは、
以前のブログでもお伝えした
「体感重量」です。
ランドセルは長年にわたり、
・肩ベルトの形状
・立ち上がり構造
・背中へのフィット感
・荷重分散
など、
「重く感じにくく背負うための研究」が
重ねられてきました。
そのため、
教科書やタブレットなど、
実際に中身を入れて背負ったときの
「体感重量」ではランドセルの方が優位
と感じるケースも少なくありません。
本体重量の数字だけでは、
本当の背負いやすさはわからないのです。
4.6年間使う前提での耐久性
ランドセルの大きな特徴は、
6年間使う前提でつくられていること
です。
一方で、リュックタイプの中には、
・保証期間が短い
・修理対応が限定的
・部品交換ができない!
・原則補修不可なものも!
といった商品があります。
もし途中で買い替えになれば、
初期費用が安くても、
結果的にコストが増えることもあります。
つまり、価格だけでは
本当のコストパフォーマンスは
見えないということです。
5.アウトドアメーカー製=こども向けに最適、とは限らない
有名アウトドアブランドがつくる通学リュックも、
話題になることがあります。
たしかに、
・軽量設計
・収納ノウハウ
・素材開発
など、優れた技術は多くあります。
ただし、
大人向けバッグのノウハウと、
小学生6年間の通学事情は別の話です。**
たとえば、
・毎日毎度の開け閉めのしやすさ
・教科書の出し入れ
・床置き時の安定性
・学校生活での扱いやすさ
・成長期の体格変化への対応
こうした点まで含めると、
必ずしも万能とは限りません。
6.専門店として感じること
もちろん、
優れたリュックタイプ商品もあります。
ただ正直に申し上げると、
現時点で完成度が高い商品は、
まだそれほど多くないというのが、
私たち専門店としての実感です。
ランドセルは、
長年かけて改良され続けてきた
ノウハウの詰まった通学かばんです。
その壁は、
思っている以上に高い
と思います。
7.大切なのは「流行」ではなく「現実」
話題になると、
「新しいものの方がいいのでは?」
と思うこともあります。
でも、通学かばん選びで大切なのは、
・6年間使えるか
・背負いやすいか
・毎日使いやすいか
・ご家族が納得できるか
この現実的な視点です。
選ぶなら、実際に比べてください
ランドセルも、リュックタイプも、
イメージだけではわかりません。
実際に
・背負ってみる
・荷物を入れてみる
・開け閉めしてみる
・6年間使う前提で考えてみる
この比較がとても大切です。
そのうえで、
おこさまに合っているもの
をみつけていただくことが、
いちばん後悔のない選び方だと思います。
追記になりますが、
上級生になり体格が整ってきて、
自分で荷物の整理整頓ができるようになって、
そういうおこさまにはリュックタイプが有効になると思います。
たとえば…
・5、6年生になって日本に帰国、通学するようになった
・リユースのランドセルを使っていたけど、とうとう使えなくなった
など、高学年になってからのご購入をお考えの場合、
リュックタイプは選択肢のひとつになりえる
のではないかと思います。
ぜひ、ご検討ください。
